以下は、船体100トン、エンジン出力1GWの宇宙船が、乗員の安全を考慮して加速度を約1Gに制御しながら、零速から加速して最大速度0.9cに達し、その後0.9cで巡航、目的地到着前に同条件で対称的に減速して停止するシナリオの概略です。
【シナリオの概要】
【全体旅程の概略】
全体の移動距離を、0.3億光年(3×10^7光年)から3.0億光年(3×10^8光年)の範囲で、対数的(幾何級数的)に10段階に分けた場合、巡航速度は常に0.9cに固定されます。ここで、光速は1光年/年なので、0.9cでの巡航では1光年あたり約1.11年かかります。
たとえば、
【10段階の概算表】
(全体距離は「億光年」単位、総移動時間は巡航時間+加速・減速時間で、加速・減速時間はほぼ一定で約0.00738億年としています。最大速度は常に0.9cです。)
段階 | 全体距離 (億光年) | 巡航時間 (億年) = 距離÷0.9 | 加速+減速時間 (億年) | 総移動時間 (億年) | 最大速度 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 0.30 | 0.3333 | 0.00738 | 0.3407 | 0.9c |
2 | 0.3875 | 0.4306 | 0.00738 | 0.43798 | 0.9c |
3 | 0.50 | 0.5556 | 0.00738 | 0.56298 | 0.9c |
4 | 0.647 | 0.7189 | 0.00738 | 0.72627 | 0.9c |
5 | 0.834 | 0.9267 | 0.00738 | 0.93405 | 0.9c |
6 | 1.0755 | 1.1950 | 0.00738 | 1.20238 | 0.9c |
7 | 1.3851 | 1.5390 | 0.00738 | 1.54638 | 0.9c |
8 | 1.7823 | 1.9803 | 0.00738 | 1.98768 | 0.9c |
9 | 2.2962 | 2.5513 | 0.00738 | 2.55868 | 0.9c |
10 | 3.0 | 3.3333 | 0.00738 | 3.34068 | 0.9c |
【まとめ】
このシナリオでは、船体100トンの宇宙船は、エンジン出力1GWを用いて乗員の安全を保ちながら1G程度の加速度で加速し、最大速度0.9cに達したら加速を停止してその速度で巡航します。目的地到着前には同じ条件で対称的に減速して停止します。
加速・減速にかかる総時間は、0.3億光年の距離で約0.34億年、3.0億光年の距離では約3.34億年となり、全体の旅程時間はほぼ巡航時間(距離÷0.9c)に一致します。
この結果、全体の移動時間は光がその距離を進む時間(0.3億光年なら約3×10⁷年、3.0億光年なら約3×10⁸年)にほぼ一致し、加速・減速フェーズはそれに比べるとごくわずかとなります。